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クリスタルボウルとダンス

ジョセフと過ごす時間は魔法の時間でした。
ある時、ジョセフが言いました。
「明日の朝は海が見たい」
「海岸に行って日の出を見よう」
と。

滞在していたのは静岡のホテルでしたので、
タクシーで20分も走れば海には着きます。

でも私なら丸1日の仕事の前に早起きして海を見にいくなど考えもしません。
言い出したら聞かないとわかっているので、
渋々タクシーを手配し、
眠い目をこすって一緒に出かけました。

近くの海岸は、朝日を浴びてキラキラと輝き、
「え?これ日本なの?」
と驚くほど神秘的でした。
「来てよかっただろ?」
とジョセフは得意げで、私も素直に感動を味わいました。

ジョセフが撮る写真も驚きでした。
なにを熱心に撮っているのかと不思議に思って見に行くと、
カメラの向こうにあるのは道に落ちた枯葉と木漏れ日だったり、
水に映る景色だったり、
スーパーで並んでいるペットボトルのフタだったりしました。

夕刻のスカイツリーで、街の灯りが一つ、また一つとつき始めると、

「見てごらん。美しいね」
「まるで星が瞬き始めるみたいだ」
と心から感動しているのです。

私はそんな風に当たり前の風景に感動することはなかったので、
あらゆる状況から美と驚きを発見するジョセフに感心しました。

その繊細な感性、子供のような旺盛な好奇心があるから
ジョセフは年齢よりもずっと若々しいのだなとうらましく思います。

直観力の鋭さにも驚かされます。
向ヶ丘遊園にバラを見に行った帰りのことです。

珍しくジョセフがカフェに入ろうと言い出したのです。
手作りマフィンやクッキーが豊富に飾られた店内で、
ふと見るとそこにはグルテンフリーの文字が!

カタカナで書かれていたので読めるはずはないのですが、
ジョセフは
「なんとなく食べられるものがあると感じたんだよね」
と笑うのです。

グルテンフリーマフィンとナッツミルクのチャイの美味しかったこと!

ジョセフの影響で人生を真剣に遊びたいと考えた私は、
ジャパンツアーの中に私の趣味や喜びを持ち込みたいと思い始めました。

そんなある日、ジョセフが私に
「クリスタルボウルを鳴らしてみんなの集中を高めてもらえないかな?」
と言ったのです。

願ったり叶ったり!

私はクリスタルボウルが大好きで、自分のために、
ほぼ毎日鳴らして遊んでいました。

大好きなクリスタルボウルでジャパンツアーに貢献できると、
私は大喜び。

講演会でも、1日のコア・ファウンデーションでも、
スタート時のボウル演奏は私の大好きなお役目となりました。

そしてついに、リトリートでは、
ボウルを使って瞑想をリードするようになりました。

「ワオ!」

私はこの頃、ロータスメディテーションという、
振りのついた美しい瞑想に夢中で、毎朝やってました。

ボディワークの際も
アファーメーションという肯定的な言葉かけをいつもしていましたので、

「これは簡単!楽しそう!」

と、またまた夢中になりました。

もう一つ、ジョセフが私にやらせたことがあります。

ダンスです。

ジョセフは日本人は表現力がやや不足していると考えています。

彼はグループヒーリング中に時々、軽快な音楽をかけ、
「踊っていいよ」
と声をかけるのですが、みなさんなかなか踊りません。

そんな時、ジョセフは私に目配せするのです。
最初は照れ臭かったのですが、動き始めるとまあ、なんと楽しいことか。

みんなをリードすることなどすっかり忘れて幸せに踊っていると、
結果的にみんなも踊り始めます。
今もスポーツクラブでズンバを楽しむ、ダンス好きの私です。

心が歌うことをすると人生はどんどん豊かになります。

同時にやりたくないことをやらないことも大切にしました。

たとえば道案内。マップを使いこなせず、
地元池袋でさえも迷子になってジョセフと何回もうろうろしました。

福岡で迷子になったとき、とうとう
「道案内はもう無理!」
とあきらめました。

それ以後、サーチと道案内はジョセフの担当です。

「ああ、よかった!」

無理しないことも貴重な学びでした。

写真は決して苦手ではないと思っていたのですが、
頼まれてジョセフの写真を撮ると、いつもダメ出しをされます。

足が切れてるとか、バランスが悪いとか、枯れた木が入っているとか、
いろいろ言われるので、これもあきらめました。

ボディワークの交換セッションをしたり、
好きなおかずを盗んだり盗まれたり、
山手線にスーツケースを忘れたジョセフと遺失物係へ行ってホームで1時間待ったり、
笑ったり、怒ったり、ふざけたりしながら、
私たちはじわじわと距離を縮め、チームらしくなっていきました。

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