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チリ

2016年はチリに行きました。

チリにいた時に通っていた学校の、
卒業四十周年の同窓会に呼ばれたためです。
友人は私をフェイスブックで発見して連絡をくれたのです。

ジョセフがよく
「今は歴史上類を見ない変化の時」
などと言いますが、フェイスブックで地球の裏側の友人と
瞬時につながれる時代というのは本当にすごいことです。

ジョセフジャパンツアーが終わり、ジョセフを空港に見送る日、
私もスーツケースを持ってチリへと旅立ちました。

海外暮らしの孤独を救ってくれた親友、カロリーナとの感動の再会。
同窓会では懐かしい顔、顔、顔。

カロリーナが私のことを
有名なタロットリーダーだとみんなに言いふらすので、
いつしか私の前にはボイジャーリーディングを待つ列ができていました。

カロリーナが自慢げに順番を指示する姿が面白くて、
たくさん笑って、たくさん泣かせました。

チリではカロリーナの家に泊めてもらいましたので、
中学生時代そのままの感覚で夜な夜な四十年分の空白を埋めるべく、
遅くまで語り合いました。

彼女は一年前にご主人を脳梗塞で亡くしたばかりで、
気丈にも四人の子供達の心のケアに明け暮れ、
自分の感情はあまり深く見ていませんでした。

私のボイジャーリーディングがカロリーナの心のフタをそっと開け、
大量の涙をあふれさせました。
「初めて泣いた……」
という親友の肩を抱き、
私は自分がヒーリングの道を歩いていることに満足しました。

実はこの直前の木曽リトリートで、
私は自分のものとは思えない深い深い悲しみを感じ、
不本意にも主催者でありながら参加者のいる前でわけもなく号泣していたのです。

その理由がわかったのがこの時でした。
おそらく私はその時、親友カロリーナの悲しみを体験していたのです。
ヒーリングには時がないと実感した体験でした。

ある夜、カロリーナが私と夫との関係はどうなのかと聞きました。

「一緒に仕事をしているけれど、私の仕事とか、目に見えない世界には興味がないの」
そんな話を聞いた親友の感想は衝撃的でした。

「お互いを尊重し、関心を示しあっていなかったら一緒にいる意味、ないでしょ?」

日本ではなかなか聞けない言葉。
言われてみれば当たり前の夫婦のあり方がそこにありました。

私は結婚したら、
余程のことがなければ添い遂げるのが当たり前という常識に囚われている自分、
常識や文化の枠や、家族の習慣にがんじがらめになっている自分に気づきました。

「ずっと寂しかったね」

カロリーナはご主人と死に別れているのに、
私にそんな言葉をかけて同情を示します。

感情が揺さぶられて、気づくと激しく咳き込んでいました。
「やっぱりね」
という納得した表情で背中をさすってくれる親友の温かい手。
カロリーナの優しさに、
私は初めて自分が寂しいことに気づいたのです。

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