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姉の死

テニスの仕事がきつくなった頃、上から2番目の姉、
ちゃい(ニックネーム)が大腸ガンになり、入院しました。

ショックから、母も体調を崩し、表情がなくなり、
病院に連れて行くとパーキンソン病と診断されました。

姉は退院すると、
命を削るかのように母の介護に通い、食事の世話をし、
ヘルパーさんの手配までして、甲斐甲斐しく動きました。

時々入院して治療は受けてはいましたが、
割合に元気だったので
私は必ず治るはず、と楽観していました。

ですから夜中の電話には本当に驚きました。
「え?亡くなった?? ウソでしょう?」
まだ53歳・・・

3人の姉の中で1番気が合っていました。
情熱的なところや、
やると決めたら徹底してやる点が共通していたのです。

愛に飢えているのに愛を素直に受け取れない。
そんなところも似ていたと思います。

入院中に足をマッサージした時は、
筋肉のつき方や足の形があまりに似ていて笑ってしまいました。

不思議なことが起きたのは姉の死から2週間ほど経った頃です。
私はおそうじが嫌いだったのですが、
まるでおそうじ好きな姉が乗り移ったかのように、
毎朝熱心におそうじするようになったのです。

姉は夢にもたびたび登場しました。
「ねえ、えみぃ。あなたの人生このままでいいの?」
そんな問いかけが繰り返されました。

「このままでいいとは思わない……」

でも、変化することの恐れが大きすぎて動けない自分がいました。
そんな自分から目をそむけて、
決して向き合わないようになんとか毎日をやり過ごしていたのです。
それは、突然命を奪われた姉からしたら、
ものすごくもったいない命の使い方に見えたことでしょう。

なんとかしなければ!

そんな時、友人がハワイリトリートを企画し、
おいでよと誘ってくれました。

リトリートとは直訳すると退却という意味で、
自分と向き合う旅をそのように呼ぶのですが、
私はハワイの旅で姉を失った悲しみが少しでも癒されたらいいなと、
軽い気持ちで参加を決めました。

2004年、9月のことです。

 

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